[最近思う事] 2003年

                                                                                                                         《7月下旬へ》

    7月15日  省エネ冷蔵庫
   当家の冷蔵庫が十数年の連続皆勤賞を受賞後、突然長期休暇に入ってしまった。メーカーに修理依頼をすると、故障箇所の部品が手元になく他府県から取り寄せると十日以上の日数が掛かると宣言されてしまった。やむおえず、新しいのに買い替える事になったのですが、電気屋さんの言う事には、「冷蔵庫は修理するより、買い替えた方が倹約出来る」と、理解出来ずにいると「今のは省エネに設計されているので、昔の冷蔵庫より、ズーッと電気は食わない」。半信半疑で購入しましたが、電気代が通常月と比べて2500円程安くなっています。今月も同じような請求金額が来ています。これが全て冷蔵庫の恩恵だとすると、1年で3万円の節約になり、約5年で元が取れてしまいます。その後はタダで使える事になります? どのメーカーの冷蔵庫も同じ傾向にあります。他の電気器具も省エネ設計で、エネルギーの節約に貢献しているそうです。
   
    7月14日  岩牡蠣
   冬の養殖 "マガキ" とは種類が異なり、イワガキ(岩牡蠣)は夏に水揚げされる天然ものです。 国内の主な産地は秋田の象潟から石川の能登半島など。関東地方では銚子が有名です。天然もののため出荷期間が短く、また漁獲量が限られているのが特徴で、これからが旬です。
 岩牡蠣は、おおよそ5〜7年もので殻高は約10〜15cmと大きく、濃厚な味で美味です。冬のマガキと同じような食べ方をしますが、殻付き(下殻)のものを網の上で焼いたものが野趣もあって、簡単美味です。毎年初夏〜8月に水揚げされます。ちなみに1枚の値段は、概ね300円〜500円ほど。
   
    7月13日  「お盆の臭いがする」
   若手調理師の卵が仕事で、キュウリを切っている時、突然言った言葉、
お盆の臭いがする」。
 間もなくお盆を迎えます。町の八百屋さんでは果物をセットにしたお供え物の小さなカゴが売られています。迎え火用の木(草?)も売られています。
 旬が無くなったと言われるこの頃ですが、故郷の畑には夏の臭いをプンプン発散させているキュウリが沢山出荷されているのでしょう。温室育ちのひ弱な香りでなく、この時期の露地物は野性的でかつ元気なキュウリです。パ カッと割ればジューシーなくらい液がほとばしりますし、直ぐ着ければくっついてしまいます。
 キュウリは夏のものですし、その夏の香りから”お盆”を連想したのでしょう。素敵な言葉です。
   
    7月12日  千葉の羽衣伝説
 

 むかし、千葉の亥鼻(いのはな)城下に、千葉(せんよう)の蓮(はす)の花の咲きほこる池田の池という美しい池があり、その周辺は蓮の花盛りのころには、多くの見物人でにぎわっていた。いつのころからか静まりかえった夜半になると、ここに天女が舞い降り、かたわらの松の枝に羽衣を掛け、蓮の花の美しさに見入っていたという。
 この天女のうわさは、時の城主平常将(たいらの つねまさ)の知るところとなり、常将は美しい天女をぜひ自分の妻にしたいと思い、家来に松に掛けられている羽衣を隠すように命じた。羽衣を失った天女は天に帰る事が出来ず、常将の妻となり、やがてりっぱな男の子を生んだという。
 この話は、京の天皇のお耳にも達し、天皇の命により参内した常将がそれまでの事情をありのままに申し上げたところ、天皇は深く感銘され「これは前代未聞のことであるので、其の方の地を千葉の蓮の花にあやかってこれから千葉と名のれ」と仰せられた。常将はこの時から千葉氏を称したという。(「妙見実録千葉記」等の記載による)

 伝説中の池田の池は、この付近にあったといわれ、天女が羽衣を掛けたという松は、この後、長い間、濃いみどりを失わず、人々は千葉八景の一つとして大切に愛護してきた。そして 今、ここに羽衣の松を復元した。
(昭和60年3月 千葉県)

 羽衣公園内、「羽衣の松 由来」 説明板より。 羽衣公園は千葉市・市場町1、千葉県庁前の公園。妙見;現在の院内(町)・千葉神社 。

  羽衣伝説は日本全国に沢山残っています。静岡県”三保松原の天女”は有名ですが、話の内容はよく似ています。天女の羽衣は大方、松の枝に掛けるのが定番のようです。 羽衣を付けた天女はうら若き乙女になっていますが、40がらみの”おばさん天女”や高齢の”お婆さん天女”はいなかったのでしょうか。羽衣を隠して、顔を見たら直ぐに羽衣を返したくなるような天女はいなかったのでしょうか。
 すぐ隣町”亥鼻”の小高い山(?)の上に、千葉城がそびえています。千葉城 (亥鼻城、1967年に竣工) は、千葉市立郷土博物館になっています。

   
    7月11日  「あめんぼう」も溺れる
   アメンボウの事、TVで放映していたものですが、面白いので書きます。
あめんぼう(ミズスマシ)は水面に浮かんでスイスイと泳いで(滑って)います。
中学の理科の実験で表面張力によって沈まない、と教わってきましたが、細かい原理は抜きにして、彼らの足の先には細かい毛が生えています。その毛先に脂肪分が付いているため水面に浮いている事が出来るのです。
 ところが、その水に石けんを混ぜると、アメンボウはまたたく間に水底へと沈んでいきます。足の先の油分が無くなって浮いている事が出来なくなるからです。アメンボウはお爺さんの時代から溺れるなんて事は辞書にも載っていませんので、驚き百倍です。そのアメンボウの足先に油分を塗ってあげると元のようにスイスイと滑り始めます。
 現実の世界でアメンボウが激減しているそうです。それは生活排水が流れ込んで、石けん分が多量に水に含まれているので、アメンボウは水死しているのではないかと言われています。
 我々の小さい(?)事が生態系に大きな影響を及ぼしているのです。
   
    7月10日  児童公園の「グローブジャングル」
 

 「グローブジャングル」というのが、この遊具の正式名称です。クルクル回って、非常に魅力的な遊具の一つです。
 「箱形ブランコ」、「丸太ブランコ」と並んで、事故が多発した遊具の一つです。当マンションの児童公園にもありますが、古くなったので、交換しようとしましたが、調べていく内にこんなにも子供達の事故が多かったのかと驚き一杯です。
 遊具メーカーに電話を入れて聞いてみると、大手さんはどこも事故の多さに製造を中止しています。協会では禁止はしていませんが、社内基準でどこも製造はしていません。ただ、一社だけは作り続けています。それは、その会社が開発した遊具だからです。
 子どものための遊具ですから、事故の多発するものは、やはりどこかに欠陥があるのでしょう。社内基準に合わないからと製造をやめてしまったメーカーの良識に拍手を送ります。公共の公園には既に絶滅しています。当公園のこれも今週中に解体撤去です。

   
    7月9日  夢二「宵待草」
 

            
            
竹久夢二「宵待草」

       まてどくらせどこぬひとを

       宵待草のやるせなさ

       こよひは月もでぬさうな。

 

 

写真左;「おおまつよいぐさ」

写真右;「月見草」

 

 

 夢二(明治17年9月16日〜昭和9年9月1日)の代表的な詩です。 詩の題名は「宵待草」ですが、その名の植物は有りません。ん?そんなこと・・・、と思われますが、植物の名前は「○○待宵草」です。
 あまりにも夢二の宵待草が有名になってしまったので、待宵草=宵待草となってしまったのです。今頃から9月頃にかけて咲く花で、アメリカからの帰化植物で、俗に空き地などに生えている雑草です。待宵草の別名を”月見草”と言いますが、これは間違いで全く別物です。ただ、どちらも夕方に開花し明け方には、しぼんでしまいます。
 待宵草は雑草ですが、月見草はある野球監督の別名です。そのぐらい違います。(^_-)

   
    7月8日 「自宅外飲酒の禁止」を撤回 
 

 ある党の幹部・党本部職員に対する自宅外飲酒の原則禁止の内規を徹底するとした発言について事実誤認があったとして撤回した。また「セクハラの再発防止の一つとして飲酒の問題を述べたのは間違いだった」とも語った。
 自宅外飲酒の原則禁止は内規にはなく、約30年前に節度ある自宅外飲酒を呼びかけた自主的な申し合わせだったという。「自宅外飲酒の原則禁止」に対して党内外から批判の声が寄せられたため、「誤解を与える発言をしたことは大変申し訳ない」と陳謝した。

 まず、酒を飲まなければセクハラは無くなると見ているのが、第一の間違い。酒はそんな悪者ではありませんし、セクハラはシラフでも起こり、それはお前が悪い。次に「自宅以外では酒は飲むな」の感覚が理解出来ない。そんな事、 一般的な常識人だったらとうてい理解の出来ない事ですし、実行不可能。又それを規則で縛っていたと、認識しているところが、もっと怖い。
 どれをとっても、極々一般的な社会人であれば、おかしいと気づくはず、それが理解出来ないような、組織になっているとすれば怖い。でも、「恥ずかしながら」訂正した事は認めましょう。

   
    7月7日 小暑。七夕。
 

 今日は小暑(しょうしょ)。
 二十四節気の一つ.太陽黄経105度。
 本州では梅雨明けが近く、梅雨が明ければ本格的な夏の天候になり暑くなります。

 また7日は七夕(たなばた)祭り。(ただし北海道や東北の一部では8月7日の所もあります)。
太陽暦で一律に7月7日に決められてしまいましたが、旧暦で調べると、
    2003年  8月 4日 月曜日
    2004年  8月22日 日曜日
となります。梅雨も明けて、天気の安定した夜が、本来の七夕のまつりの日です。
月も早く沈んで、天の川を見るには絶好の夜空です。
 今の時期は梅雨の真っ只中ですから、夜空の星は眺める事が出来ないのが普通です。眺められない方が幸せな二人かも知れません。

   
    7月6日 入谷「朝顔市」 
 

 入谷・鬼子母神で毎年行われる恒例の行事です。朝顔市は7月6〜8日に行われます。 写真は今年の朝顔の鉢です。
 太田蜀山人の狂歌の中に「恐れ入谷の鬼子母神」と言われる鬼子母神は台東区下谷1ー12ー16に有ります。

 「入谷から出る朝顔の車かな」、「銭湯で聞く朝顔の噂かな」 (正岡子規)
 これ程有名であった入谷の朝顔も、入谷が発展するに伴い、地価と作品のバランスを失い廃業する植木屋が次々に現れ、遂に大正2年意地づくで踏留っていた植松の廃業を最後に、東京名物入谷の朝顔もその姿を消してしまったのです。
 それから35年経った、昭和23年、下谷観光連盟並びに地元有志の方々の努力はもとより、台東区の後援を得て、入谷に再び朝顔の市が立つようになって、早朝より深夜までの終日、往時を凌ぐ盛況を極めている。今の出荷地は江戸川区の「川手農園」が総量の8割、1万鉢を生産 しています。

 「朝顔も入谷へ三日里帰り」 (東洋記)

   
    7月5日 トラベル
 

 旅を英語でトラベル(travel)と言います。原語はトラブル(trouble)で、これが変化したのだと言われています。
 旅の思い出は時間が経つに従い、楽しかった事よりも、苦しかったり、アクシデントを乗り越えたり、トラブルに遭遇した事などが、楽しい思い出として甦ってきます。映画「八十日間世界一周」 ジュール・ヴェルヌ作のように、旅にトラブルは常識だった時代もあったのでしょう。今ではそれほどではなくても、トラブルは付いて回ります。
  TVの旅行記では疑似体験も、一般人では見られないような所も見せて貰えますが、聴視者はトラブルには遭遇しません。旅をした時の感動の大きさが違うのは、この辺の違いからかも知れません。

 旅に出たら、大いにトラブルに巻き込まれてください。

   
    7月4日 柏葉紫陽花 (かしわばあじさい)
 

  隣家の庭先に咲く柏葉紫陽花です。
 葉っぱが「柏」に似ているから、この様に呼ばれ、北米系の紫陽花のひとつです。珍しいのですが、最近、園芸植物として有名になってきました。 
 私は最初、葡萄の木と花かと思っていましたが、ご主人に聞くと紫陽花の一種で”柏葉紫陽花”ですよ、と教えてくれました。え!これが紫陽花?と最初は信じられませんでした。
 花は初期には元の方から咲き始め、上向いていますが、花をビッシリ付けるとだんだん下向きに垂れ下がってきます。

 「花盛り 頭を垂れる 柏葉紫陽花」 (字余り) 吟醸

   
    7月3日 慣用句の誤解
 

  文化庁が発表した「国語に関する世論調査」によると、平均6割の人が誤解をしていると出ています。

語句 正解率 正しい解答 誤答
流れに棹さす 12.4% 時流に乗って物事が順調に進む事 傾向に逆らう事
確信犯 16.4 政治・宗教上の信念に基づく行為・犯罪 悪い事と判っていながらの行為・犯罪
閑話休題 23.8 話を脇から本筋に戻す時に用いる 本筋から脇道に移す時に用いる
役不足 27.6 能力・力量に比べて役目が軽すぎる事 能力・力量に比べて役目が重すぎる事
気が置けない 44.6 相手に気配りや遠慮をしないでよい事 相手に気配りや遠慮をしなくてはならない事
奇特 49.9 優れて他と違って感心な事 奇妙で珍しい事
耳障り 86.4 聞いていて気に障る 聞いた時の感じ
一部始終 91.1 物事の最初から最後までの全て 最初から最後までの一部

  私も全問正解出来なかったのが悔しい。(^_^; この表は、目障り、耳障りです。
役不足は3月2日に書いていますので、判っていますが・・・。

 文化庁のホームページより、”聞いた事がない”と言う単語、日本語があるという現実。今後使わないという単語がある悲しさ。日本語が狭くなっていく悲しさを感じます。

   
    7月2日 キャサリン・ヘプバーン
   「黄昏」や「招かれざる客」などで、最多となる4度のアカデミー主演女優賞を受けた米国の代表的な女優のキャサリン・ヘプバーンさんが29日、米コネティカット州の自宅で死去した。96歳だった。死因は老衰とみられる。ここ数年体調を崩していた。

 同州ハートフォードで外科医の父と女性問題運動家の母の間に生まれ、名門女子大ブリンマー・カレッジを卒業すると同時にブロードウェーで舞台デビュー。32年に「愛の嗚咽」で映画界に進出し、33年に「勝利の朝」で最初のアカデミー主演女優賞を獲得した。さらに、67年「招かれざる客」、68年に「冬のライオン」で2年連続の主演女優賞を受賞した。81年にもヘンリー・フォンダと共演した「黄昏」で4度目の同賞受賞に輝いた。

 42年に「女性NO・1」で共演したスペンサー・トレイシーと親密な関係を結び、アカデミー賞受賞作品の「招かれざる客」を含む九つの映画で共演した。このほか、「アフリカの女王」(51年)、「旅情」(55年)など多くの映画に出演。「めぐり逢い」(94年)が最後の作品となった。

 個性が認められたのは、卓越した演技力があったからだ。

 「招かれざる客」で演じた差別に決然と立ち向かう中流家庭の母親、「冬のライオン」で見せた苦悩するヘンリー2世に寄りそう王妃、「旅情」のはかない愛に身を委ねる未婚の中年女性。コミカルで軽快な役もシリアスで重厚な役も幅広く演じ分け、スペンサー・トレイシー、ピーター・オトゥールら数々の名優と共演した。99年に米国映画協会が選んだスターベスト50の女優1位に輝いている。
(毎日新聞6月30日夕刊より)

 クチナシの花は、映画「旅情」のラストシーンで重要な役をしています。
キャサリン ヘプバーンが旅先(ベニス)の一時の恋の終わりで、町を後に列車で出発するシーンが有ります。
 人気のなくなったプラットホームを汽車が滑り出します。
 複雑な心境を胸に秘めながら窓の外を見るヒロイン、そこに駆け込む彼氏。引き留めるには遅すぎます。一つの小箱を差し出して、窓の彼女に渡そうとしますが、列車はスピードを上げてホームを離れていきます。

 彼はその小箱を開けて”クチナシの花”を走り去る彼女に捧げるのでした。
 デイトの最中、この花が一番好きだと話した事があったのを彼は忘れず、この時に渡してくれたのです。

 佳い香りの花です。この花の盛りに彼女はラストシーンのように旅立ちました。合掌。

   
    7月1日 東海道線が全線開通
 

 1889(明治22)年7月1日  東海道線が全線開通 新橋・神戸間20時間。まだ丹那トンネルが開通していないので、富士山の北側を御殿場線で迂回していた。大井川、浜名湖、木曽川橋梁はこの時掛けられたものです。当然蒸気機関車が車両を引いていた。現在新幹線”のぞみ”で東京・新大阪間2時間30分(新神戸は残念ながら通過してしまいます)、”ひかり”で東京・新神戸間3時間15分前後、凄いスピードアップです。
 私が小学生の頃、東京−岐阜間8時間掛かっています。まだ蒸気機関車が引いていましたので、トンネルに入ると、一斉に窓を閉めたのを覚えています。どこかで閉め忘れると、そこから物凄い勢いで真っ黒な煙が車内中に入ってきてしまい、大変な騒ぎになってしまいます。旅とは顔がすすけたものでした。

 写真左、当時の機関車;5300型蒸気機関車。1882年にイギリスで製造された。写真右、東海道線用にイギリスから輸入された上・中等用客車。定員47人、中央にトイレが設置されていました。下等客車は外観が同じで定員80人が乗れましたが、トイレは付いていません。写真でも分かるように隣の客車には移動出来ません。20時間も缶詰になって、生理現象の方はどの様に我慢?していたのでしょうか。

 

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