「符帳」あるいは「符牒」とも。合図の隠語。仲間内だけで通じる言葉、
印や合い言葉をいう。
「山」と問えば「川」と答えれば仲間だと判ります。
警察の隠語だったのがドラマなどでバレバレになっています。
「ヤク」、「ガイシャ」、「ホシ」、「デカ」、「ワッパ」、「ハジキ」、「ドス」など、意味を書かなくても先刻承知。
落語業界では「キン(ちゃん)」=客 「タロウ」=お金・ギャラ 「ロセン」=男、また
は男のモノ 「タレ」=女、または女のモノ 「シャダレ」=芸者 「ハク(い)」
=良い 「セコ(い)」=悪い、汚い 「ドサ」=田舎 などなど
二つ組み合わせることも多い。「セコ金」、「ドサキン」、「ハクタレ」、「セコタレ」
など。「ドサ回り」はあまりにも有名ですよね。
業界によって違いますが、数字も符丁で使うのが常識。
1=「ヘイ」 2=「ビキ」 3=「ヤマ」 4=「ササキ」 5=「カタコ」
6=「サナダ」 7=「タヌマ」 8=「ヤワタ」 9=「キワ」
ある師匠が言っていましたが、床屋さんと同じ符丁だと言っていました。料金を決めるのに内緒話が筒抜けになってしまった。
噺の中でも、駕籠の駄賃を掛け合うのに、旅慣れているというと、隠語で駄賃を言うので500文に負けておけと言い返した。駕籠屋即座のOK。聞き直してみると言い値であった。(知ったかぶりはいけません)
落語「ねぎまの殿様」で、縄のれんで酒を注文する時、並は36文、ダリは40文で、ダリは灘の生一本だからというので、ダリを頼んだ。馬方や駕籠かきでダリは4のことで、そこから40文の酒。
実際に使う場合は、 「飲み会の会費カタコでいこう」と言えば、まさか5百円や5万円の訳はないし、
我々のレベルで5千円のことだなと分かる。