「授業中」「中沢家の人々」といった新作落語を得意にした落語家で元落語協会会長の三遊亭円歌(さんゆうてい・えんか、本名中沢円法〈なかざわ・えんぽう〉)さんが23日、死去した。88歳だった。23日午前11時ごろ、東京都内の自宅で倒れ、病院に運ばれたという。
  東京都生まれ。山手線・新大久保駅員を経て終戦直後の1945年、二代目三遊亭円歌に入門し歌治、48年に二つ目で二代目三遊亭歌奴に。自らの吃音(きつおん)体験を表現として生かし、「山のあなたの空遠く」で始まるドイツの詩人カール・ブッセの詩を朗読する場面で「山のアナ、アナ……」と織り込む「授業中」などで人気を集めた。ほかにも「浪曲社長」「月給日」などテンポの良い自作落語を送り出し、寄席の慣例を破って初代林家三平と共に二つ目でトリを務めた。

 58年に真打ち昇進、70年に三代目円歌を襲名した。後年は両親や義父母を題材にした新作「中沢家の人々」でも、愛情ある語り口で笑いをとった。85年に56歳で出家して話題になった。96〜06年に落語協会の会長を務めた。71年度の芸術祭優秀賞、92年の浅草芸能大賞などを受けた。

 戸籍上は「1932年生まれ」となっているが、実際は「1929年生まれ」。空襲で焼失した後、戸籍を作り直す際に家族が間違えたためという。
(朝日新聞より)

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