「女色魚に順ず」というランキングがある。女遊びを魚になぞらえ、評価したものである。
一 太夫格子は鯛のごとし。平人の口に入がたし。
吉原の太夫や格子などの上級遊女はタイである。庶民はとても手が届かない。
一 品川は鰹のごとし。上下ともに味ひ安し。
品川宿の女郎はカツオのようなもの。高級も安価もあり、手軽に味わえる。
一 夜たか鯨のごとし。くさみにこまる。
街娼の夜鷹はクジラのようなもの。あそこが臭い。
一 下女は鰯のごとし。好味なれども床いやし。
下女はイワシのようなものだ。味はいいが、品がない。
一 妾は赤貝のごとし。子をうむと味ひなし。
妾は赤貝のようなもの。妊娠して子供を生むと、途端に味わいが落ちる。
一 娘は金魚のごとし。いろのさい上。
未婚の素人女は金魚で、まさに色事の相手としては最上。
一 女房は鰹節のごとし。さして味ひなけれどあかず。
女房はかつおぶしのようなもので、たいして味はないが、飽きがこない。
一 人の女房は鰒のごとし。好味なれども命あやうし。
他人の女房はフグのようなものだ。味はいいが、へたをすると命が危ない。
江戸の正長軒宗雪著『吾妻みやげ』より。
永井義男氏ホームページ「江戸の醜聞愚行」第215話 女のランクより
http://homepage3.nifty.com/motokiyama/nagai4/nagai4-215.html