「日本語文章能力検定協会」が行っている、「心に響く三行ラブレター」、今年はもうないのです。良い企画だったのに残念。で、心に残った10年分をピックアップしてみました。
第1回(1999年)
「あなた皺がふえましたね」
そうか、これはお前への
愛の年輪なんだよ。 (66才/男性)
第2回
妻よ
愛してるなんて言えないけれど
俺より先に死んでくれるな (79才/男性)
第3回
あなたが囁いてくれた言葉を
耳もとに集めて
イヤリングのように飾っていたい (44才/女性)
第4回
話せない、見えない、分からない
母ちゃん!
俺が行った時だけでいいから正気になってくれ (52才/男性)
第5回
話しかけてきた息子の声に、ドキッとしました。
あの頃のあなたの声でした。
学校のそばの時代遅れの喫茶店 行ってみましょうよ。(48才/女性)
第6回
掌の短い生命線をじっとみて、
「運命って本当にあるのかな」と独り言。
妻は黙って、油性ペンで手首まで生命線を延ばしてくれた。(37才/男性)
第7回
実家へ帰るのが恥ずかしいって…。
父さんも母さんも平気だぞ。さあ、田舎で再出発だ。
バツイチなんだと凱旋しろよ。 (66歳/男性)
第8回
分娩室から出たら父がいた
「よく頑張ったね」頭をぐしゃぐしゃになでてくれた
いつぶりだろう 母親になった直後 娘になった (28歳/女性)
第9回
下駄箱に並ぶあなたの靴。
どれも外側が減っている。
四十年、頑張ってくれて本当にありがとう、靴じゃなくてあなたによ。(62才/女性)
第10回
お風呂から 今夜も聞こえる
少し調子のはずれた、あなたの歌声
いつの間にか一緒にハミングしてる私に気づく (46才/女性)
第11回
お父さん、
子供らも巣立ち2人になりましたね。
また、しょうちゃんと呼んでもいいですか? (53才/女性)